10代のころ知り合った安田君もいまや中堅ピアニストとして演奏に、ピアノ教育に力を注いでいる様子である。7-8年か前に10年以上住んでいたパリを引き上げて、日本に居を構えたということは知っていたが、パリ、コンセルヴァトワールの入試以来コンタクトを取るチャンスがなく20年という時間が過ぎた。
2009年の私の文化会館のリサイタルを聴きに来られたのを機に、その後日本に行くたびに一度は会って積もる話をしたり、演奏会も聴いたりしているうちに一度連弾をしようということになった。私のリサイタルを聴いて何かが気に入ったらしく、それは嬉しいことであった。
パリでのコンクールでメシアン賞を取っただけあって、その打ち込みようは並ではなく初めて聴いた嬰児イエスに注ぐ20のまなざしのライヴCDでは、感動と感激ではっとした瞬間に何度も椅子からころげ落ちそうになった( というのはドイツ的な表現だが、、 )。2月9日のリサイタルはベルリンにいたので聴くことが出来なかったのだが、フラン歌曲を専門とする武田氏のブログに次のような文を見つけた。
、、、、、夕刻文化会館小ホール、安田正昭ピアノリサイタル。モーツァルト、ベートーヴェンの後期のソナタを経てお得意のメシアン、『ペトルーシュカ』、休憩を挟んで『展覧会の絵』。いつもながらの強靱なタッチで、余計なセンチメンタリズムなど一切排した演奏はいっそ見事と言えます。
さて、5月31日には連弾の試みの第一回目として、荻窪かんげい館45人しか入らない、しかし置いてあるプレイエルのピアノは一寸不思議な音色が魅力である。
東北、関東大震災、津波そして電子発電所の多量な放射能のもれた行方を思うと、幾ら飛行機のチケットをもう買ってあるといっても心配がないわけではないが、今までも何とかなってきたことなので成り行きに任せることに内心は覚悟している。
彼のモーツアルトは本当に自然な流れがあり美しい。他の2曲もコンサート前にあわせることになっている。