2014年1月22日水曜日

指揮者クラウディオ アバド氏が1月20日朝7時半に自宅で息を引き取られたのニュース、実感がわくまでにしばらく時間がかかった。

ベルリンのPhilharmonie での演奏会のほかにも、Luzernの各国の優秀な音楽家から成り立っているフェスティヴァルオーケストラで、その指揮ぶりを最後は日本で聴いたのは何年前だったか?

しかし私の記憶に鮮明に残っているのは、指揮者というより教育者としてのアバド氏の姿である。
ヴァイオリンを弾く、当時18才ぐらいだった友人の娘さんがアバド氏に演奏を聴いていただけることになって、友人と伴奏者と共にベルリンフィルの大ホールに行った時である。

演奏が終わって、アドヴァイスをくださったが、それは今すぐソリストとして活躍する前に、もっと沢山の室内楽をすると将来大変役立つでしょうとのことだった。
そしてその年のシーズンだったか、または次の年だったか記憶は確かではないのだが、タベア ツインマーマン、ナタリー グッドマンといった音楽家の中に入って室内楽コンサートに出演のチャンスを与えられたのだった。

彼は自分を前に出さず、若い人を伸ばすために沢山のチャンスを与えていられた。
何か穏やかな温かい雰囲気が、その時はホールに満ちていたように記憶している。
そのような日常の生活態度が指揮にも表れていて、聴衆に好まれていたように思えた、、、