2011年11月18日東京ハインリッヒ シュッツ合唱団によるレクイエムの夕べが東京カテドラル教会で演奏された。
なくなった方の霊を慰めるという事で沢山の方の生前のお名前がプログラムに乗っていた。
ここの曲目については後で詳しく記載する事にして、後半に演奏された2011年に生誕200年を祝ったフランツ リストの、初めて聴くレクイエムについて感想を述べたい。
リストのピアノ曲はどちらかというと絢爛豪華といった装飾音が沢山ついて、そうでないものもあるにしても、ヴィルテュオーゾでないピアノ弾にきは手に負えないような感じを受ける。私にとって新しい発見は、リストの宗教性については常に疑問を持っていたことが、このレクイエムを聴いているうちに自分の心がもうすでに天国への道を歩いているのに気がついたときだ。彼の神への信仰の深さ、音楽の真実さ、それらがすべてこのレクイエムに現れているのが聴こえた。大きい星を半分に切ったような形をしたぎざぎざが目の前に現れ、しばらくの間消えなかった。一箇所だけあいていて、ここがおまえの入り口だよといっているようで、、、目をこすっても眼鏡をとっても消えないものが、、、リストの宗教曲を聴くチャンスはまれだ。彼がいかに新しい試みとしてのハーモ二ーを扱い、同じハンガリー人のバルトークを思わせるように、ほとんど無調性で声部を扱って、。が、又瞬間のうちに解決の和音となる。男性4声合唱団、男性4人のソリスト、金管4本、ティンパニ、オルガンという編成がこの曲を支え、引き立てる。私にとってリストの歌曲と同様、今年のリストにおけるハイライトといえる。
出演者: テノール1 ツエーガー ファンダステーネ、テノール2 武田正雄、バス1 淡野太郎、バス2小家一彦 オルガン椎名雄一郎 トロンボーン 武田美生/吉川久/小野加奈代/生稲雅威 ティンパニ 鈴木力、指揮 淡野太郎